「うまいすしを、
情報システム部 部長 田中 覚さん 情報システム部 担当課長 坂口 豊さん 情報システム部 松岡 康友さん腹一杯。 」この 経営理念を 実現する ために Google Workspace を 活用。
「うまいすしを、腹一杯。うまいすしで、心も一杯。」を経営理念とする回転すしチェーン。1984 年に株式会社すし太郎( 2000 年に現社名に変更)として創業以来、「うまいすしを、ひとりでも多くの人に腹一杯食べてもらいたい。『この価格で、こんなにうまいのか!』とお客さまを驚かせたい」という思いで経営に取り組み、2012 年 11 月現在、全国に 337 店舗を展開し売上高 1113 億円( 2011 年度)を上げるまで成長を果たす。従業員数はアルバイト・パート含め約 3 万 1600 名
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〒163-0833 大阪府吹田市江坂町 2-1-11 江坂山甚ビル 2階
https://www.akindo-sushiro.co.jp/
「うまいすしを、
情報システム部 部長 田中 覚さん 情報システム部 担当課長 坂口 豊さん 情報システム部 松岡 康友さん腹一杯。 」この 経営理念を 実現する ために Google Workspace を 活用。
必要以上に IT にかける資金があるなら商品や店舗に回す
「うまいすしを、腹一杯。うまいすしで、心も一杯。」
回転すしチェーンのあきんどスシローは、2012 年 9 月に本社、10 月には全店舗に Google Workspace を計 1200 アカウント導入した。契機となったのは、内部統制強化のためのワークフロー導入の要請である。それまでは、社外用がメール、社内用はイントラネットとコミュニケーションツールを使い分ける必要があった。また、店舗の管理担当者など外出する機会の多い社員からは、イントラネットを社外からもっと手軽に使えるようにしてほしいという要望も上っていた。
「ワークフローを導入するにあたって、コミュニケーションツールが 2 つあることは、重要な通知の伝達の遅延や不徹底の原因になるおそれがあるため、一つに統合する必要がありました。また、スケジュール管理や情報共有といったグループウエア機能もあるにはあったものの十分に活用できておらず、スマートフォンへの対応も遅れていたため、これを機にグループウエア機能をもっと活用してリッチなコミュニケーション環境をつくろうという話になりました」と情報システム部長の田中 覚さんはシステム変更の経緯を説明する。
検討を始めたのは 2012 年 6 月。俎上に載せたのは、Google Workspace のほかに Microsoft Office365®、サイボウズ®、desknet’s®、POWER EGG® といったグループウェア製品だ。
同社は「うまいすしを、腹一杯。うまいすしで、心も一杯。」を経営理念とする“寿司が命”の会社。「当社は IT 企業ではないので、必要以上に IT にかける資金があるなら少しでも店舗や食材に回した方がお客様に喜んで頂ける、と考えています」と田中さん。今回も、できるだけ費用をかけず最小限の投資で最高のコストパフォーマンスが得られるシステムへのリプレイスが至上命題となった。
「経営理念の実現が意思決定の基準になっており、今回のグループウェア導入も理念の実現に貢献するかどうかが判断基準でした」
IT に不慣れなスタッフのために、なるべく簡単な Google Workspace に
大手システムベンダーから機能性の高い POWER EGG の提案を受けていたが、情報システム部には人手に余裕がなく、オンプレミスのシステムの保守を外部委託するとコストが合わないため、メンテナンス不要のクラウド型のサービスが有力候補となった。
「サイボウズ®、desknet’s® は手軽で価格も安かったのですが、肝心のワークフロー機能が今一歩でした。Microsoft Office365® は、我々がやりたことを実現するには様々なオプションを追加していく必要があり、投資に見合ったリターンを得るのは難しいと判断しました。一方、Google Workspace は、Google App Engine で開発されたアプリを利用すれば、ライセンス費プラス 100 万円強の開発費でやりたいと思っていた以上のことを実現できることがわかりました」
Google Workspace に決定した理由はコストだけではなく、ユーザーの事情もあった。
「うちの社員は皆、寿司に関してはプロフェッショナルなのですが、システムに関しては普段あまり触れる時間もなく、できるだけ簡単なシステムにする必要がありました」と情報システム部担当課長の坂口 豊さんは振り返る。その点で Gmail や Google カレンダーはプライベートで利用していた人も多くアドバンテージがあった。
「近くに誰かしら Gmail ユーザーがいれば、その人がほかの社員への教え役になってもらえるという効用も期待できました。マニュアル本もたくさん出ているので、Gmail は最もマスターしやすい製品と考えられたのです」と情報システム部の松岡 康友さんは言う。実際に、導入時に初心者向けのマニュアル本を配布したところ、ヘルプデスクへの問合せは当初の想定よりも大幅に少なかった
Google Workspace は、自分たちが進化していくためのパートナー
Google Workspace を導入すれば、いつでも手軽に必要な情報にアクセスできるようになり、業務の大幅な効率化を図ることができると考えました。
同社が Google Workspace に決めたのには、ほかにも 2 点の大きな理由があった。田中さんは次のように言う。
「ビジネス向けの機能が次々と無償で追加されていくことも魅力でした。Google Workspace は、自分たちが進化していくためのパートナーとなるツールだと思えたのです」
もう1点は、モバイルデバイスとの親和性である。社外に出ることの多い社員がイントラネットにアクセスするため、同社はノートパソコンとデータカードを配布していたが、パソコンを起動し、データカードを挿して、VPN に接続し、イントラネットを開く、という手間は社外から利用する社員にとってはかなりの負荷になっていた。
「当社でも部長以上にはスマートフォンが配布されていましたが、イントラネットにはアクセスできないため、E メールしか見れず、スケジュールは 個人で使用している Google カレンダーとの 2 重管理という非常に効率の悪い状況になっていました。そこで、Google Workspace を導入すれば、いつでも手軽に必要な情報にアクセスできるようになり、業務の大幅な効率化を図ることができると考えました」
スマートフォンをどこかに置き忘れる、ネットカフェの端末でもアクセスできるといったリスクに対するセキュリティ対策については、Google Workspace の導入を依頼した販売代理店が提供する「シングルサインオン」機能を利用することでクリアできた。これは、アカウント毎に、アクセスできる端末やネットワークを細かく制御できるサービスだ。ちなみに、このサービスやワークフロー機能のオプション追加は無償で提供されている。
「代理店に技術力があり、Google が App Engine を無償で提供しているからこそ可能なオプションでした。そうでなければ、開発費が 100 万円程度で収まるはずありません」と田中さんは振り返る。
「リッチなコミュニケーション環境」を Google ビデオで実現
企業秘密ですからセキュアな環境でないと安心して共有できませんでしたが、 Google ビデオでそれが簡単に実現しました。新しいシステムになってすし塾のビデオが見れるようになったのが一番良かったと言ってくれる店長もいました。
同社には、Google Workspace の導入でどういったメリットがもたらされているのか。 同社は、Google Workspace の導入とともに、デザリング機能が搭載された最新型のスマートフォンを社外での活動頻度の高い全社員に配布した。「月々 6500 円のデータカード利用料が不要になったことは大きい。スマホだけでもかなりの業務がこなせるため社員にとっては便利になり、会社にとってはコストが下がる、という理想的な結果が得られました」と田中さん。また、カレンダーが使いやすくなったため、部長以上の多忙な人のスケジュール調整が非常に楽になったという。
「イントラネットのカレンダーは使いにくかったので、皆大まかなスケジュールしか入力していなかったのです」
そして、最大のリプレイス目的の一つであったワークフローの導入について、田中さんは次のように言う。
「承認申請が Gmail でスマートフォンに飛んでくるので、いつでもどこでも承認や否決ができます。タイムリーに適切な意思決定が行われるので、業務が全体的に非常にスピードアップしました」
もう一つのリプレイス目的である「リッチなコミュニケーション環境」の構築に向けては、Google ドライブ での動画共有などに着手し始めている。経営理念の実現のため寿司の品質には非常に強くこだわっている同社では「すし塾」を開校し、食材へのこだわり、生産者の想いを店舗のスタッフに伝える教育をしているが、その際に使用していたビデオを Google ビデオで共有し、全てのスタッフが見られるようにした。
「企業秘密ですからセキュアな環境でないと安心して共有できませんでしたが、 Google ビデオでそれが簡単に実現しました。新しいシステムになってすし塾のビデオが見れるようになったのが一番良かったと言ってくれる店長もいました」(坂口さん)。それ以外にも、ハングアウトによるテレビ会議では、国内だけでなく、海外とも一体感のあるコミュニケーションを図っている。
Nexus 7 の活用でさらなる進化へ
同社では、さらに Google Workspace の活用レベルを進化させようとしている。
「軽くて価格も安い Nexus 7 を使って、まずは品質管理部の衛生リスクチェックの進化に着手しました」と田中さん。生ものを扱う同社では、200項目に及ぶ衛生管理項目がある。「本社の品質管理部メンバーが各店を巡回していましたが、紙のチェック表を後から Excel に入力し直すのが担当者にとって大きな負荷になっていました。これが Google ドライブ のフォームを使えば、チェックリストに沿って確認していくだけで、漏れもなく自動的に集計されるので作業が大幅に効率化されます。フォーム作成も簡単なので、ユーザが自分で修正できるというのも魅力です」 今後は Google サイトを利用して、各部門が動画などのリッチなコンテンツも使いながら、店舗に対して、より分かりやすい情報提供を進めていく考えだ。
「社員に活用してもらってこそシステムは価値のあるものになります。Google Workspace を導入し、とても便利になったと喜んでくれる社員がいる一方で、まだまだ使いこなせていない社員もおり、定期的に勉強会などでフォローしていく必要があります。しかし、これだけスマホが普及してくると、社員がプライベートで Gmail や Google カレンダーを利用する機会もますます増えるでしょうから、すべての社員が新しいシステムを活用してくれる日はそう遠くないと思っています。Google Workspace の導入は、当社にとって非常に投資効果の高い意思決定でした」と田中さんは満足げだ。
※ Google Workspace は、2020年10月6日以前は G Suite として知られていました。