Google Workspace のアカウントを 1600 人のアルバイト全員に発行。BYOD で通達の徹底を図る
「カフェ ラ・ボエム」「ゼスト キャンティーナ」「モンスーンカフェ」「権八」などの飲食店を全国に 54 店舗(国内 52 店舗+海外 2 店舗)展開。顧客に喜ばれる空間を創造し、最高のサービスと最高の料理を提供する“エンターテインメントとしての食事”を創り出すことにこだわりを持つ。
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Google Workspace のアカウントを 1600 人のアルバイト全員に発行。BYOD で通達の徹底を図る
お客さまの声
「権八」「カフェ ラ・ボエム」「モンスーンカフェ」など 54 店舗の飲食店を展開。2009年に Google Workspace を導入し、社外秘のマニュアルをセキュアに閲覧できる環境構築、内部統制のための ID 管理業務の効率化などにも活用の幅を広げている。2015 年 12月、約 1600 名のアルバイトスタッフ全員にもアカウントを発行し、BYOD に舵を切った。ハングアウトのメッセージで、伝達事項の徹底化を図る。
オンプレミスによるさまざまな不都合
同社が 2009 年 8 月に Google Workspace を導入する以前は、グループウェアとしてサイボウズをオンプレミスで利用していた。PC 端末は本社は 1 人 1 台であったが、店舗においては基本的に店長室に数台が置かれ、スタッフが適宜使用していた。飲食店という業態上、PC を使う時間帯は限られており、サーバーにアクセスが集中。「 200 人用の製品をそれ以上の人数が使っていたこともあり、忙しいのに動作が遅くストレスフルな状況に。しかしサーバー増強ではきりがないと考えた」と経営企画グループ情報システムチームの吹上哲也チームリーダーは振り返る。末端のアルバイトスタッフ全員が PC を操作するという環境でもなかったので、本社からの伝達事項などはプリントアウトして配布し周知するという対応が取られていたが、3 交代制ではなかなか徹底されなかった。また、店舗スタッフには東南アジアや中国などの外国人が多く、表示言語が日本語だけという問題もあった。
「『タイトルや本文欄などは感覚的にわかっても、いざ送信ボタンを押す時に本当に正しいのかわからずためらう』という不満が届いていたのです。多言語対応の必要性が浮上していました」さらに、情報システムチームにおいてはオンプレミスによるサーバーのメンテナンスや負荷分散などの手間も要していた。こうした諸問題の解決のため、サイボウズの契約更新を機に吹上氏らはクラウド環境製品へのリプレイスを検討する。
クラウド型におけるセキュリティ性を重視
Google Workspace はシングルサインオンによるアクセス制御で社内環境からでしか閲覧できない設定が可能でした。これが大きかったですね
5 つほどのクラウド型グループウェア製品の、セキュリティ性やアプリケーションの機能性、価格などについて比較検討。それらにおいて最も優位で、かつ唯一多言語対応の Google Workspace が選定された。2009 年の当時最重視されたのは、クラウド型を採用するにあたってのセキュリティ性。
「ポータブルで使えるのはいいとしても、社内文書を添付したメールが社外の環境で見られてしまうなどの事態が起きてはいけません。その点、Google Workspace はシングルサインオンによるアクセス制御で社内環境からでしか閲覧できない設定が可能でした。これが大きかったですね」
また、以前から個人的に Gmail を使用していた吹上氏は「諸機能の便利さを実感していたことも大きかった」と言う。一方、多言語対応については、「グローバルに使われているマイクロソフト製品にも当然期待したが、そうではなかったようだ」と指摘する。
アルバイト全員に必要な伝達事項が通知可能に
多言語に対応できるようになったことで、外国人スタッフからの操作の問い合わせは殆どなくなりました。
Google Workspace 導入後、多言語に対応できるようになったことで、外国人スタッフからの操作の問い合わせは殆どなくなりました。Google ドライブ はスタッフ用のマニュアルや調理手順書をアップロードするなどして活用を予定。これら社外秘のドキュメントはダウンロード制限をかけて社外流出を防ぐ。また、スプレッドシートと Apps Script を活用し、内部統制のために必要な ID・パスワードの変更管理業務を効率化。
「 ASP の受発注システムを用いて店舗ごとに食材の発注をかけていますが、各店舗の ID・パスワードを年 2 回変更しなければなりません。従来は手渡ししていましたが、スプレッドシートと Apps Script で関係者 150 名のアドレスに自動的に通知する仕組みをつくりました。劇的に楽になりましたね」
そして同社は 2015 年 12 月、約 1600 名のアルバイトスタッフ全員にもアカウントを発行し、BYOD に舵を切る。スマートフォン所持率が 98% と極めて高いことが背景にある。
「社内報サイトで『料理コンテスト○月開催結果』といった情報更新が行われるごとに、そのリンク情報をハングアウトのメッセージで全員にプッシュ通知しています。メールのように見に行かなくても画面にポップアップされるので、自然に目に触れさせることができます。これで伝達率を高めるねらいがあります」と吹上氏は言う。従来は電話もよく使われていたが、電話では「聞いた・聞いていない」といった問題や、繋がらなかった際の再架電の手間が生じる。エビデンスが残るメッセージならそうした心配はない。セキュリティに関しては、シャドー IT 対策として、ドメイン内でのみ使えるようにし、社外への発信ができないように制限をかけてクリアしている。
そのほか、各店舗を査察するチームが、スマートフォンで現場の状況について声でレポートしながら撮影した動画を Google+ にアップし共有するなどの活用法を検討している。「従来は写真に文書を添えて提出していましたが、動画 1 つだけアップすればいいのでかなり効率化できると考えています」
アルバイト全員へのアカウント発行というケースはそうそうない。流動性も高く多様化が進むレストラン産業であるが、アルバイトを含む形での Google Workspace の利用は先進的といえる。
※ Google Workspace は、2020年10月6日以前は G Suite として知られていました。
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