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導入事例

株式会社クボタ

「Google Workspace でグローバルなコミュニケーション基盤を構築し生産性の劇的な向上を目指す!」

株式会社クボタ グローバル IT 化推進部 シニアマネージャー インフラ統括グループ長 山下 啓介さん グローバル IT 化推進部 マネージャー インフラ統括グループ 近藤 史猛さん
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農業機械やエンジン、建設機械などの機械部門および鉄管や環境リサイクル、膜ソリューションなどの水・環境部門の製品・サービス群の提供を通じて、食料・水・環境の分野の課題を解決しグローバル社会の発展に貢献している。1890(明治 23)年に創業後、日本で初めて水道管の国産化や農業の機械化を実現するなどの歴史を有する。ブランドステートメントは「For Earth, For Life」

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「Google Workspace でグローバルなコミュニケーション基盤を構築し生産性の劇的な向上を目指す!」

株式会社クボタ グローバル IT 化推進部 シニアマネージャー インフラ統括グループ長 山下 啓介さん グローバル IT 化推進部 マネージャー インフラ統括グループ 近藤 史猛さん

目標は売上高 2 兆円・その 70 % を海外で売り上げる

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システムに求められる課題は大きく 3 つ。経営の意思決定に必要な情報のタイムリーな提供、情報システムの共通化と業務標準化・効率化の推進、グローバルにコミュニケーションが効率的にできる IT 基盤の整備である。

トラクターやコンバインなどの農業機械でおなじみのクボタ。今やグローバルな食料・水・環境の分野の課題解決に積極的に取り組み、世界 22 カ国・地域に 53 カ所の拠点を展開し、3 万 1400 名の従業員を擁している。そして 1 兆 2106 億円(2013 年 3 月期:連結)という年商の約半分を海外での売り上げが占めるというグローバル企業グループに発展している。53 カ所の海外拠点のうち 10 カ所以上はここ 3 年以内に新たに立ち上げられたものであり、グローバル化の勢いは近年ますます強まっている。

「2018 年までに売上高を 2 兆円に伸ばし、その 70 % を海外で売り上げるという意欲的な目標を掲げています。これを実現させるためには、製品やサービスの開発・販売体制はもちろんのこと、経営体制や組織運営そのものをもグローバル化する必要があります。そして、これを強力に推進していく基盤として IT を活用することになり、その主導組織として『グローバル IT 化推進部』が設置されました」とグローバル IT 化推進部シニアマネージャー・インフラ統括グループ長の山下 啓介さんは説明する。

システムに求められる課題は大きく 3 つ。経営の意思決定に必要な情報のタイムリーな提供、情報システムの共通化と業務標準化・効率化の推進、グローバルにコミュニケーションが効率的にできる IT 基盤の整備である。

コミュニケーション基盤の構築が最重要課題に

コミュニケーション基盤となるメールシステムやグループウェアとして、それまで国内では Lotus Notes 6.5 を利用していた。この古いバージョンはサポートが終了しており、その刷新は最優先の課題となっていたのである。また、メールボックスの容量が 1 人 100 MB しかないことによる頻繁な削除作業が手間となっていた。

「部門によってはデータ量の大きいファイルなどをメールで送り合うので、すぐにメールボックスが一杯になってしまっていました」とグローバル IT 化推進部マネージャー・インフラ統括グループの近藤 史猛さんは打ち明ける。

一方、グループウエアのモジュールは最低限の利用に留められており、一部の事業部門や事業所などでは主にカレンダーとして別途サイボウズなどを導入していた。スケジュール共有なども事業部門内に限られており、他部門との連携が困難であった。

さらに、海外拠点は現地最適の観点でそれぞれの地域ごとにさまざまな製品を利用していた。メールシステムが各拠点によって異なるため、一貫したセキュリティ対策を取ることが困難であり、拠点ごとの対応になるため重複した労力がかかっていた。一部の国ではホスティングサービスのメールを利用しており、セキュリティ上のリスクも懸念されていた。

また、アジア圏では文字化けが発生してその確認作業に手間を要するといったことも問題となっていた。「つまり、国や事業部門ごとに見事にバラバラで、コミュニケーション基盤のグローバル化からは程遠い状況だったのです。これを一つにすることによって多くの問題・課題の解決を図ることが必要でした」と山下さんは述懐する。

「セキュリティは Google に任せたほうが安心」

この分野 (セキュリティ) に関する世界的にもトップクラスの専門家が集まる Google が、堅牢なしくみでつくられた専門のデータセンターで運用している。Google に任せたほうが安心ではないか

システムの刷新にあたり、山下さんらはまず従来のようにオンプレミスのままでいくか、クラウド型のサービスに切り替えるかを検討。結論はすぐに出た。

「グローバルに 1 つのシステムをオンプレミスで構築するには、データセンターやネットワークなどのインフラを一からつくり直す必要がありました。また、それらのメンテナンスや災害時対策、アーカイブなども自分たちで行う必要があります。オンプレミスには膨大なコストと時間がかかることはすぐわかりました。これに対して、すべてがそろっているクラウド型のサービスならば、インターネットにアクセスできる環境さえあればすぐ利用できます。スピードとコストでクラウドには圧倒的なメリットがありました」

山下さんらは、クラウド型サービスの比較検討を行ったが、他のサービスは OS など使用環境の標準化が必要であり、コストと時間を要することが問題であった。

「残念ながら全世界の拠点で環境の標準化ができておらず、管理するしくみもありませんでした。それに対して、Google Workspace は Chrome さえダウンロードすれば使えるので、すぐに利用できる点が大きなメリットでした」

部のデータセンターを使うクラウドサービスに、漠然としたセキュリティ上の不安を唱える役員もいた。「これに対しては、『この分野に関する世界的にもトップクラスの専門家が集まる Google が、堅牢なしくみでつくられた専門のデータセンターで運用している。Google に任せたほうが安心ではないか』と説明して納得してもらいました」と山下さんは言う。

各部門、子会社の導入担当者から

ここ最近、海外拠点が立て続けに新設されていますが、Google Workspace はネット回線さえあれば数時間で導入できるスピーディーさがいいですね

同社は Google Workspace へのリプレイスを決定し、まずは国内および中国やアジアの各事業所から導入して利用をスタート。2014 年 3 月までに、欧米など残りすべての海外拠点への導入を目指す。

「ここ最近、海外拠点が立て続けに新設されていますが、Google Workspace はネット回線さえあれば数時間で導入できるスピーディーさがいいですね」と近藤さんは満足げだ。従来は、システムが標準化されていなかったのでその国で利用できるサービスの調査から始め、選定後サーバーを導入しネットワークをつなぐところから着手しなければならなかった。「数カ月はかかっていた」と近藤さんは言う。

山下さんらは、国内全拠点への導入に際し、導入作業の支援を依頼したソフトバンクテレコムのスタッフとともに Google Workspace の簡単なマニュアルや操作法の動画を作成、配布や説明会を開催した。同社では従来から、それぞれの部門・子会社のセキュリティや運用の窓口として担当者が任命されており、現行システムやユーザーの IT リテラシーなどに精通している。まず彼らに Google Workspace の設定や操作法をレクチャーし、自部門への導入レクチャーを依頼する方法を取った。また、個人的に Gmail を使っている社員が多くいた点も、Google Workspace のスムーズな導入を助けた。

「今後も導入担当者には、我々グローバル IT 化推進部とともに Google Workspace のさらなる活用のために、ユーザーの手助けをしてもらいたいと願っています」と山下さんは期待する。

働き方を変える Google+ ハングアウト

ハングアウトがあれば、自席で必要な時にビデオチャットができます。このインパクトは大きいですね。

なお、拠点によっては、それまで使い慣れたシステムを変えることに抵抗感を示す社員もいた。

「『グローバルにシステムを統一すれば、その恩恵が絶対に還ってくる。しかし、今導入しなければその機会は永遠に訪れない。ぜひ協力してほしい』と説得し理解してもらいました」と山下さん。

今後、山下さんらは残り 3 割程の世界の拠点への Google Workspace の導入完遂とともに、この活用でコミュニケーションの活性化と効率化を推進し非定型業務の生産性向上を目指すことになる。そのため、Google+ ハングアウトの活用を検討している。

「テレビ会議システムは特定の部屋に固定されていて気軽に使えるというものでもありません。ハングアウトがあれば、自席で必要な時にビデオチャットができます。このインパクトは大きいですね。当社にはメール文化が浸透しきっていますが、フェイス・トゥ・フェイスで即座にコミュニケーションを行うように変え、ひいては働き方の改革にもつなげていきたいと思っています」と近藤さん。

「連結で 2 兆円の売り上げを社員数をなるべく増やさずに達成するには、社員一人ひとりの生産性を上げるしか方法はありません。そのための基盤となる Google Workspace のさらなる活用に力を入れていきます」と山下さんは力を込める。

※ Google Workspace は、2020年10月6日以前は G Suite として知られていました。