「業界特性上、
システム課 千葉 静也さん不向きだと 思っていたグループウェア。 しかし、 いざ導入してみると、 スケジューリングなど メリットも 見えてきました。 今後は ビデオ会議なども 浸透させていく 予定です。 」
1916 年創業と長い歴史を誇る出版社。年間の出版点数は約 700 点。そのコンテンツも多岐にわたるが、社としてのメインターゲットは女性。年齢層は限定されず、妊娠・出産・育児・料理・ファッション・趣味などさまざまなライフステージやシーンで役立つ雑誌や書籍、ムックが人気を博している。また、いち早く中国市場に目を向け、1995 年には雑誌『 Ray 』を中国で提携出版。現地で人気のある女性誌となっている。
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〒112-8675 東京都文京区関口 1-44-10
https://www.shufunotomo.co.jp/
「業界特性上、
システム課 千葉 静也さん不向きだと 思っていたグループウェア。 しかし、 いざ導入してみると、 スケジューリングなど メリットも 見えてきました。 今後は ビデオ会議なども 浸透させていく 予定です。 」
興味はアリ。しかし、外部スタッフも多い業界で、アカウントをどこまで発行するかが悩みどころでした。
最終的に Google Workspace に決めたのは、コストと運用のしやすさですね。
かなり以前から Google Workspace をはじめとするグループウェアには注目していました。そして、その利便性も理解していたつもりです。ただ、そのうえで小社での導入は難しいと判断していました。
理由はスタッフの線引きです。出版物の制作には、編集者をはじめとする社員だけでなく、多種の契約のかたがたやフリーランスの編集者、デザイナー、カメラマンなどの外部スタッフも多く携わっています。場合によっては、「 1 企画のみ」関わるかたもいます。そのような中で、アカウントをどこまでのかたへ発行するのかが一つの問題となります。
一方、それとは別に社内では「外からメールチェックできるようにしてほしい」という要望が出始めており、この要望に関しては「申請書類」に署名してもらうなどで、システム課が個別に対応していました。
つまり、グループウェアという意味では「難しい」、クラウドサービスという意味では「トライしてみたい」という状況だったんです。
運用をスムーズにスタートさせるポイントは、“データの移行を個々に任せないこと” に尽きます。
2009 年にハードウェアのリプレイス時期を控え、自社のメールサーバーをリプレイスしようという動きになり、それならば以前から考えていたクラウドサービスへという考えに至りました。しかし、前述のスタッフの線引きや流動性という問題点もあったので、まずはいくつかのサービスをテストしてみることから始めました。その期間は約 2 年。それほど慎重だったんです。
最終的に Google Workspace に決めたのは、コストと運用のしやすさですね。コスト面は他社とくらべてトータルコストが低かった。また、テスト時には自分以外の部署でも使ってもらったのですが、スムーズに運用できたので「これなら」となったわけです。その際、「アカウントをどこまで発行するか」という問題に関しては、社員だけでなく、社と直接契約するスタッフ全員に発行することで決着しました。
さて、導入に際し、システム課として一つだけこだわったことがあります。それは既存のメール履歴などデータをすべて Gmail に移行してから運用をスタートする、ということ。新しいサービスを運用する際、いちばん問題になるのがデータの移行だと思いますが、これを個々のスタッフに任せると、すぐにできる人とできない人に分かれてしまう。結局スタートでつまずくことは目に見えていたんです。ですから、小社の場合は、外部協力会社へ要請し、システム課で全アカウントのデータ移行を行い、そのうえで個々のスタッフにアカウントを渡しました。GW をすべて潰すなど、時間がかかる大変な作業でしたが、これはとても重要なポイントだったと思います。
社内スタジオ、モデルなどのスケジューリングがリアルタイムに!
以前は台帳でスケジュール管理をしていたので、外での打ち合わせ時に「社内に戻って確認します」ということもありましたが、その場で予約状況の確認ができる環境になっている。
出版社ならではの効用というところでは、スケジューリングがリアルタイムで可能になったことが大きいですね。もっとも顕著なのが「社内スタジオの予約」です。以前は台帳でスケジュール管理をしていたので、外での打ち合わせ時に「社内に戻って確認します」ということもありましたが、その場で予約状況の確認ができる環境になっている。実際に活用されれば、その分、制作進行がスムーズになりますよね。また、同じく「編集部内の撮影スケジュール情報の共有」でしょうか。誰が、何の撮影で、いつモデルを押さえているのかがすぐにわかるというのは、スタジオ利用の共有化などでも役立っているはずです。その他の情報共有に関しても、社全体としてはまだまだですが、個別にシステム課に相談されることも増えてきており、その都度対応をしています。
あとは、やはり Gmail ですね。前述のように「外からでもメールチェックを」という声は以前からありましたから、これに関しては導入後、「助かっている」という話を聞きました。管理するシステム課としても、パスワード発行や文書管理をする必要がないので助かっています(笑)。
カメラつきノートパソコンの貸与をスタート。ビデオ会議を日常化させたいですね
じつは今、弊社ではパソコンをデスクトップからノートへ移し替えています。そして、そのノートはすべてカメラつきにしています。これは、チャット機能を使ってのビデオ会議を想定してのことです。
スタッフが流動的な業界ということもあり、情報共有はなかなか進めるのが難しい部分もありますが、ビデオ会議は違います。慣れてくれば、かなりチームワークが改善されるはず、と期待しています!
もう少し先の話でいえば、やはり Google ドキュメントをもっと活用したいですね。現在は、情報漏洩の観点から社内アカウントを持っているかただけがアクセスできるように設定してあります。ただ、業務の流れを考えると社外の協力会社にも公開したほうがいい。実際には、社内だけでガードすべき情報は全体の 1 割にも満たないのではないかと思います。ただ、そのジャッジが難しいがゆえに、すべてをアクセス制限しているわけです。Google Workspace が業界標準になれば、そのあたりも簡単になると思うのですが......。こればっかりは小社単体の話ではないので、少し時間がかかりそうです(笑)。
※ Google Workspace は、2020年10月6日以前は G Suite として知られていました。